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クラウドクレジットのカメルーン案件を解説してみる

2017/10/27

 日本のソーシャルレンディング業界において、為替でやられて恐らく初となるであろう損失を生じることとなった、クラウドクレジットのカメルーン案件。

 そりゃ利回り10%近い案件なのでリスクが顕在化するのは当たり前、としたり顔でコメントするのは簡単。けど案外、クラウドクレジットのカメルーン案件の内容の詳細は知られていません。

 そんな訳で、以前から書こう書こうと思いつつ、なかなか書く時間がなかったクラウドクレジットのカメルーン案件について、そもそも一体どんな案件なのか、管理人の解釈も踏まえて解説してみます。

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苦戦が続くクラウドクレジットのカメルーン案件

 海外のソーシャルレンディング案件に特化しているクラウドクレジット。そのクラウドクレジットの主力案件の1つがカメルーンに投資する案件。「カメルーン中小企業支援プロジェクト」という名称でコンスタントに募集がなされています。

 定期的に募集をしており、クラウドクレジットにとっては柱の1つとも言うべき存在のカメルーン案件ですが、第1号案件の為替ヘッジ無し案件は為替でやられて投資家側は損失を計上する事態に。

関連記事:クラウドクレジットの案件、為替ヘッジについての考え方

 更にその後の案件も予定の時期での償還が出来ずに、ファンドの期間延長がなされています。

 日本のソーシャルレンディング業界において、異例の事態が発生しているとも言えるクラウドクレジットのカメルーン案件。1号案件でやられた為替の部分については、為替ヘッジ付きの案件を選ばなかった投資家の責任(逆に振れていれば利益になっていた訳ですから)、と言えますが、1号以降の案件でファンドの償還延期が発生しており、苦戦している、という事実には変わりありません。

 それではクラウドクレジットのカメルーン案件って一体どんなものなのか、クラウドクレジットの資料等を読み解いていきたいと思います。


カメルーンの国旗

カメルーン及び提携先のOvamba(オバンバ)社について

 カメルーンは中央アフリカに位置する国。人口約2000万人、元フランス領です。正直、大半の日本人には殆ど縁の無い国と言えます。

 クラウドクレジットが何故、日本に殆ど縁もゆかりも無いカメルーンに投資活動を行っているかと言えば、現地に提携先を有しているから。その提携先というのがOvamba(オバンバ)社。

 Ovamba社は2013年設立の中小企業への貸付を中心とするトレードファイナンスを行っている会社です。トレードファイナンスと言うのはごく簡単に言えば短期的なつなぎ融資のこと(本当にザックリとした説明です)。その資金面にてクラウドクレジットは同社と協業していることになります。

 Ovamba社の創業者のMarvin Cole氏はアメリカ人。コンサルティング会社のマッキンゼーを経て同社を創業しています。そして面白いのはOvamba社の本社はアメリカのメリーランド州。個人的に更に面白いと思うのがは、Ovamba社には投資会社のブラックロックが投資している部分。

 アフリカのカメルーンでトレードファイナンスをしている会社、と言うとベタな会社だなぁ、と感じますが、コレがマッキンゼー出身のコンサルが本社をアメリカに置いてブラックロックから資金調達を行って、カメルーンでトレードファイナンスを行っている、と聞くと印象が随分変わって見えるのだから、不思議なものです。

 クラウドクレジットがOvamba社と提携を決定した理由の1つが、ちゃんと英語でビジネスや会計といった込み入った話ができる、というもの。確かにマッキンゼー出身の社長の会社なら、しっかりとビジネスの会話はできますね。更にブラックロックという外部株主も入っているので、安直な経営は出来ない仕組みとなっています。


カメルーンの地図、実は管理人も国名は知っていましたが場所は知りませんでした。。。

カメルーン案件の資金の流れ

カメルーン案件においては下記のような資金の流れとなります。タイヤ会社の例で説明します。(2016年11月のクラウドクレジットの神戸説明会の資料より)

①Ovamba社がタイヤ輸入業者に資金を貸し付け
②タイヤ輸入業者が中国等からタイヤを買いつけて輸入
③タイヤをOvamba社が管理する倉庫で保管、タイヤ輸入業者はタイヤの保管手数料を支払い
④タイヤの販売がなされれば、Ovamba社の倉庫から出荷がなされる
⑤資金の返済時期が到来すればタイヤ輸入業者はOvamba社に資金を返済

 カメルーンはイスラム教の国であり、金利を徴収することができません。よってOvamba社はタイヤ輸入会社に資金を貸し付けて、金利を受け取らない代わりにタイヤを自社倉庫で保管して、タイヤの保管料を貸付先から受け取って、この保管料が金利に該当しています。

 タイヤをOvamba社の管理する倉庫に保管する、というのがミソで、金利の代わりに保管手数料を徴収するだけでなく、イザというときにタイヤという現物を差し押さえることができる、という大きなメリットがあります。

イザという時は管理物件を処分して資金を回収

 残念ながらOvamba社の融資先からの返済が滞るというイザという事態が生じた際に最終的にどうするかと言えば、上記のタイヤ会社の例で言えば、倉庫に保管しているタイヤを差し押さえて自ら販売する、ということになります。

 銀行が融資を行う際に土地を担保にとって、返済がなされないイザと言う時に、担保に取った不動産を売却して資金を回収するのと同じです。そうは言っても、不動産の場合はどんな形での売却になっても、相応の価格がつきますが、タイヤと言った動産=モノの場合、買い叩かれることが目に見えています。

 そこで問題となるのは、モノに対して担保の価値をどの程度読んでいるかという点。担保価値についてクラウドクレジットの説明によると、解散価値の基本的に150~200%でミニマム125%、とのことです。

 解散価値と言うのは、会社の場合は会社が解散したらいったいいくら残るのか、ということ。当然事業が継続していれば得られる利益があっても、それは考慮されません。簡単に言えば、そのモノ単体での価値です。モノの場合、投売り価格と言っても過言ではありません。企業であれモノであれ、解散価値で売り物が出ていれば、これほどおいしい買い物はありません。

 Ovamba社はモノの担保価値を解散価値の150~200%としており、比較的堅めに価値を見ています。よって仮に融資先に何か問題が発生して資金が回収できない事態が生じても、担保として取っている倉庫に保管しているモノを売却すれば資金の回収ができる、という自信に裏打ちされてビジネスを展開しています。

 クラウドクレジットのカメルーン案件で償還延期の案件が発生していますが、コレは融資先からの返済がなされずOvamba社がモノの処分を行うことで資金回収を行う、というプロセスに入ったため、となっています。

ただし相手も一筋縄ではいかない?

 担保物件が取ってあって担保価値も解散価値の150~200%であり、うまく考えてあるなぁ、と素直に思います。

 ただし敵さんも一筋縄ではいかない相手もいるようです。クラウドクレジットの発表した「【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクト2号運用レポート」には下記のような記載があります。

A社はオバンバ社と共同管理していた保管所の錠を許可なく取り換え、オバンバ社の管理人が保管財産の確認を行えない状況にしたうえで、トレードファイナンス契約で売却した資産を外部に持ち出し詐取した疑惑が出ております。~保管所の施錠が許可なく取り換えられたことでオバンバ社の管理人は現在保管所に入ることができず、オバンバ社が購入した建設資材の資産価値を試算することや数量の確認が不可能です。(クラウドクレジット【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクト2号運用レポート

 保管所の施錠=鍵が勝手に取り替えられて、Ovamba社が保管所に入れない状態・・・。まるで漫画の世界ですね。事実は小説より奇なり、を地で行く展開となってます。

 敵さんもそんなに甘くない、と言うのとビジネスなので、そりゃ色々対策を練ってもリスクはあるよね、と言うことがよーく分かる事態ではないかと。

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個人的な感想

 カメルーン案件で返済遅延が発生した際、オイオイ大丈夫か?、と正直思いましたが、その後色々と調べてみると、なるほどよく考えられているなぁ、と思ってしまいました。

 ただし海外案件だし、そもそも利回り10%に近い案件なのでリスクはあって当たり前。基本的に管理人は、ソーシャルレンディングが安全なんて誰が言った!、というスタンスなので、それでもリスクはあるだろうなぁ、と思っています。

 そんな所で出てきたのが、鍵を勝手に変えられて倉庫に入れない・・・、という漫画のような事態。笑ってばかりもいられませんが、海外案件なので、何が起こるかわからない、という部分が如実に現れています。

 ただそれでも、よく練られている内容だし、返済の遅延は合っても担保物件の売却で資金の回収はある程度できそうだし、クラウドクレジットが提携先のOvamba社にだまされた訳でもないので、今のところは「リスクは顕在化しても想定の範囲内の事態」で推移している状態ではないかな、と思います。

 実際、クラウドクレジットは返済の遅延発生後もカメルーンファンドを募集しており、説明会においても、今後も柱の案件の1つ、と明言しています。

 最終的な着地が終わっていないので、まだ何とも言えない面はありますが、返済の遅延があって大騒ぎとはなりましたが、今のところ事態は外野が騒ぎすぎ、と言った面が強いのかな、と思います。

 まぁ投資家の側としては、ソーシャルレンディングは損するリスクだけでなく、返済が遅れるリスクもある、という部分を肝に銘じることになった案件とはなりましたが。

まとめ

 これまで大きな問題なく発展してきたソーシャルレンディング業界ですが、問題が生じていないが故に、一部ではソーシャルレンディング=安全、とか、ソーシャルレンディング=損しない、という認識も生じています。コレは結構危険だよなぁ、と思ってます。

 ソーシャルレンディング運営各社の努力の結果、損失案件が発生することなくこれまで来ているのは事実ですが、それでも利回り5~10%というマイナス金利下の日本ではありえない高金利の運用先を提供しているのですから、リスクはあって当たり前。

 そんな中でクラウドクレジットはカメルーン案件で為替でやられて損失発生、そして返済の遅延発生と、ソーシャルレンディングのリスクの部分が顕在化しています。

 ただそれは高金利を考えれば、ありうべき事態であり、投資家の側も冷静に受け止める必要があります。ダメですよ冷静に受け止められないほどの資金を投入しては・・・。

 リスクが顕在化した場合でも総合的には資金が増えていく、というのが資産運用の正しい方向です。その観点ではクラウドクレジットではリスクが顕在化していますが、今後も顕在化したリスクを乗り越えて、総合的に投資家の資産を増やすことができるかどうかは、クラウドクレジットの腕の見せ所となります。

 日本のソーシャルレンディング案件の大半を占める不動産案件の場合は、不動産価格が暴落したら一緒でしょ、と言う面は否定できません。その意味で海外案件に特化のクラウドクレジットは、ソーシャルレンディングの分散投資先の1つとして、非常に重宝する存在と言えます。しかしながら不動産とは異なる案件内容であり、一体どんな内容なのか訳分からん・・・、という方も多いのではないでしょうか?実際にカメルーン案件、上記を理解して上で投資していた方、小数派ではないかと。

 どんな投資でもリスクは付き物です。そんなリスクを取る場合、どんな投資でどんなリスクがあるのか、それを分かった上で投資を行う=リスクを取るのは必要不可欠となります。

 海外案件特化でとっつきにくい面のあるクラウドクレジットですが、上記がカメルーン案件の投資検討の際の多少のお役に立てれば幸いです。返済遅延の発生しているカメルーン案件、また何かしら変わった動き等あれば、続編も書いてみようと思います。

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