ユニークな存在のクラウドクレジットについて
2017/09/26
日本のソーシャルレンディング業界は、多くの案件で国内の不動産案件を手掛けています。不動産案件、確かに儲かりますので・・・。ただソーシャルレンディング=不動産、となるとイマヒトツ面白みが・・・、という方もおられるのでは。
新興系のソーシャルレンディング運営会社で、クラウドクレジットという会社があります。クラウドクレジットは海外案件に特化している、ユニークなソーシャルレンディング運営会社となります。多くの運営会社が国内のそれも不動産案件に注力している中、クラウドクレジットの活動は注目に値します。
為替リスクがあったり、カントリーリスク(投資対象国の持っているリスク)があったりと、海外のソーシャッルレンディング案件は確かにリスクもあります。ただ国内の不動産価格が下落の可能性も否定できない中、不動産系のソーシャルレンディング案件の集中投資もリスクがあるので、一部資金を海外案件に振り向けるという選択肢もあります。
分散投資が基本となるソーシャルレンディングの投資、分散投資の一環として、クラウドクレジットにも口座開設をしてはいかがでしょうか?
目次
クラウドクレジットの会社概要
新興系のソーシャルレンディング運営会社のクラウドクレジット。まずは最初に会社の概要を見てみるとします。
社名 クラウドクレジット株式会社
設立 2013年1月
代表者 杉山智行
法人株主 伊藤忠商事、フェムトグロースキャピタル他、マネックスベンチャーズ、GCIキャピタル
クラウドクレジットの設立は2013年1月。まだ設立して3年の新興系のソーシャルレンディング運営会社となります。
同社の会社概要の特徴は株主の部分。法人株主として伊藤忠商事、マネックス証券(ベンチャー投資を行っているマネックスベンチャーズ)が存在しています。また投資ファンドのフェムトグロースキャピタル、ヘッジファンドのGCIキャピタルが名前を連ねています。
マネックス証券や投資ファンド、ヘッジファンドといった、金融系の会社が投資を行っているのがクラウドクレジット。また伊藤忠商事が本体で、直接ソーシャルレンディング運営会社に出資するって、意外な感じがします。
株主構成からも他のソーシャルレンディング運営会社とは、一風変わった印象を受けます。
杉山社長の略歴
クラウドクレジットの杉山社長は2005年東京大学法学部卒。その後、大和証券と三井住友銀行の合弁会社であった大和証券SMBCという法人部門に特化した証券会社に入社(大和証券と三井住友銀行の提携解消に伴い、現在は大和証券となっています)。その後、ロイズTSB銀行東京支店を経て、クラウドクレジットを設立。
結構ベタな案件の多い日本のソーシャルレンディング業界において、杉山社長の略歴は際立っています。いわゆる運用という世界からソーシャルレンディング業界に参入したケースとなります。
この杉山社長の経歴が現在の同社の案件のユニークさと、マネックス証券他からの資金調達を可能にした源泉ではないかと考えられます。
株主のフェムトグループとは?
クラウドクレジットの大株主には、フェムトグロースキャピタル有限責任事業組合、有限責任事業組合フェムト・スタートアップの2つのファンドが名前を連ねています。(以下、フェムトグループとします)
フェムトグループというのは、独立系のVC(ベンチャーキャピタル)。代表の磯崎哲也氏は長銀総合研究所を経て、カブドットコム証券の社外取締役、ミクシィの社外監査役を歴任された、ベンチャー企業の経営に詳しい方。
フェムトグループは投資ファンドのため、IPO(株式上場)やM&Aでどこかのタイミングでクラウドクレジットの株式の売却は行いますが、フェムトグループはクラウドクレジットの成長のための支援を当面行うものと考えられます。
クラウドクレジットのソーシャルレンディング案件
金融業界の最前線で活躍してきた杉山社長が立ち上げて、伊藤忠商事やマネックス証券が資本参加しているクラウドクレジット。同社が扱っている主なソーシャルレンディングの案件を以下にピックアップしてみました。
案件名 | 利回り | 期間 | 融資先 | |
---|---|---|---|---|
① | ジョージアマイクロローン事業者ファンド | 10.0% | 約13ヶ月 | 企業への貸付 |
② | バルト三国自動車リースファンド | 9.2% | 約4年 | リース料債権への投資 |
③ | ペルー小口債務者支援プロジェクト | 10.5% | 約3年 | 小口債権の買い取り |
④ | 欧州3か国個人向けローンファンド | 9.1% | 約3年 | 小口債権の買い取り |
⑤ | カメルーン中小企業支援プロジェクト | 12.2% | 約7ヶ月 | カメルーン国内の中小企業に投資 |
成立ローン総額約11億円(2016年10月3日時点)
※1案件5万円から投資可能
クラウドクレジットの案件は海外案件のみです!
他社のソーシャルレンディングの投資案件は、殆どが国内向け、それも不動産向けが多いのですが、クラウドクレジットの案件は他社と比べると一線を画しています。
投資先もアフリカのカメルーンから始まって、バルト三国、ジョージア、と普段は馴染みのない国ばかり。ただし利回りはいずれも10%前後の利回りとなっており、他のソーシャルレンディング運営会社の案件と比べても、高い利回りを誇っています。
クラウドクレジット自体、世界の資金需要者と日本の個人投資家をつなぐプラットフォーム、として自らを位置付けています。よって、取り扱っている案件が海外案件ばかり、というのは当然と言えば当然。
またマイナス金利の日本と比べれば、海外は金利が正常に機能している国もまだまだ多いですし、発展途上国は高金利国が多いため、日本で不動産等を扱って高金利の実績を出すより、海外の案件に投資を行って高金利を得る、というのは合理的でもあります。
ただし2016年10月3日時点で成立ローン総額は約11億円。maneoの約540億円、ラッキーバンクの約60億円と比べると、規模的にはまだまだ、という状態です。
クラウドクレジットの海外案件の取り組み方
海外の案件に特化しているクラウドクレジットですが、海外案件は現地ソーシャルレンディング運営会社等と提携を行い案件の発掘を行っているようです。また海外案件と言えば”為替リスク”がつきものですが、同社の案件は為替ヘッジ付きの案件も多いため、為替の動きを気にすることなく投資することも可能です。
クラウドクレジットが単独で海外向けの投資を行っている訳ではないので、提携している会社次第の面はありますが、海外案件を取り扱っているものの、少なくとも何の知識もなくだまされた・・・、というリスクは少なくなっている、と考えられます。
尚、下記の動画でクラウドクレジットの海外案件の取り組み方について、触れられています。(特に5:00以降の後半部分)
クラウドクレジットの特徴
クラウドクレジットの特徴は一言で、海外案件!、コレにつきます。
日本のソーシャルレンディング業界は最大手のmaneoを始め、不動産関係への投資が非常に多くなっています。確かに不動産案件は儲かることも多いので、投資家にいかに高い金利を払えるのか、という観点からは不動産関係の案件の積極化はやむを得ない面があります。
関連記事:ソーシャルレンディングの高利回りの理由は不動産にあった!
とは言え、いずこの会社も不動産案件ばかり・・・、となると日本の不動産市場が急落すれば、分散投資も何もなく市場要因でやられてしまいます。
そう考えると、クラウドクレジットは日本の不動産案件に頼らない非常に稀有なソーシャルレンディング運営会社と言えます。海外案件はリスクが高いのでは?、という思いは出てきて当然ですが、分散投資という観点では、分散先の1つとして押さえておきたいソーシャルレンディング運営会社と言えます。
動画コンテンツでソーシャルレンディングについて学べる
クラウドクレジットのサイトは動画コンテンツが充実しています。それらの動画を一通り見れば、ソーシャルレンディングについて、おおよその理解をすることができます。
ソーシャルレンディングの啓蒙活動にも努力しているクラウドクレジット、ソーシャルレンディング投資に興味があれば、一度同社の動画で興味あるものを見ると、ソーシャルレンディングに対する理解も深まりますよ。
クラウドクレジットのまとめ
ソーシャルレンディング投資のポイントは分散投資にある、と言えます。案件の分散、タイミングの分散、運営会社の分散と、大きく分けて3つの分散がありますが、案件や会社の分散を行っても、最終的にお金の行き着く先が不動産ばかり、であれば不動産市場が急落した場合、一気に共倒れになる可能性があります。
日本のソーシャルレンディング案件は、不動産案件に支えられている面があるため、いくら案件や運営会社の分散を行っても、不動産市場が急落の場合、何かしらの影響は受けざるを得ません。
そんな中でクラウドクレジットは、海外の案件に特化したソーシャルレンディング運営会社となっています。確かに海外案件は、通常の案件に加えて為替リスクやカントリーリスクも考える必要がありますが、それでも国内不動産市況悪化での共倒れのリスクを避けることができます。
海外投資に対するリスクの考え方は人それぞれではありますが、海外投資のリスクを許容できるようであれば、日本の案件のリスクヘッジ先として、クラウドクレジットの海外案件は注目に値します。
分散投資が基本のソーシャルレンディングへの投資。クラウドクレジットの海外案件は、分散投資という観点で非常に有効に機能する可能性が高いと考えられます。
分散投資の一環として、日本のソーシャルレンディング業界の中ではユニークな存在のクラウドクレジットに、一部の資金を投資する、という方法はリスクヘッジという観点から合理的ではないか、と考えます。
ご興味あれば一度、クラウドクレジットの口座開設をして、内容を確認してはいかがでしょうか?
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