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ラッキーバンクに行政処分の勧告、ソーシャルレンディング企業の事業者リスクを再認識

2018/03/01

証券等取引管理委員会が金融庁に対しラッキーバンクへの処分を勧告(2018年2月20日付)。ラッキーバンクが行政処分を受ける事態が目前に迫ることになりました。

内容としては、ラッキーバンクの貸付先の殆どが社長の親族の経営する不動産会社であり、投資家に対し誤解を生じさせるような内容でファンド募集を行っていた疑いがある、と言うもの。

ただし投資家としては、社長の親族企業が融資先の殆どで、その企業もフラフラな状態だった可能性が高い事態は寝耳に水で、驚きの事態。いずれにしても、ソーシャルレンディング投資の事業者リスクを再認識せざるをえません。

証券取引等監視委員会の発表内容を、主にファンド事業者が身内の会社に資金提供するリスクと言う観点から解説してみました。

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証券等取引管理委員会がラッキーバンクに対し処分を勧告

証券等取引監視委員会がラッキーバンクに検査に入ったのは2017年2月。その後、特に当局から音沙汰が無く、お灸はすえられたけど特に何も無しか・・・、と思っていました。

ところが先週突然、証券等取引監視委員会が金融庁に対しラッキーバンクの処分を勧告と発表。忘れた頃に・・・、と思ったのは管理人だけでは無いハズ。

ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

証券取引等監視委員会は検査に入るとサイト上に、検査に入ってます、と公表するので2017年2月以降、特にそんな案内のなかったラッキーバンクに、最近再び検査に入ったとも思えません。

どんな事情かは分かりませんが、寝耳に水のラッキーバンクに対する処分勧告となっています。

証券等取引監視委員会が公表したラッキーバンクの指定事項

金融庁に処分を勧告した証券等取引監視委員会ですが、問題点として指摘している内容をまとめると下記となります。

田中社長の親族の経営する企業に対ししっかりとした与信判断を行わず(融資が返済されないリスクを知りつつ)ファンドの募集及び貸付を行った(貸付先のほとんどが田中社長の親族が経営する不動産会社)。

証券等取引管理委員会の開示資料を見た管理人の第一印象は、あちゃー、と言うもの。やってくれたな・・・。

金融機関としては身内に対して、審査を甘くして貸付や投資を行うというのは最もやってはいけない行為。銀行で頭取や役員の親族が経営する企業に対する融資の審査に手心を加えた、と知れたら関係一堂の役員のクビが一気に飛びますが、簡単に言えばラッキーバンクはそれをやってしまった訳です

証券等管理委員会及び金融庁としては、あきれてモノが言えない・・・、そして大激怒しているのではないかと。そりゃベンチャー企業のラッキーバンク、銀行並の審査体制は当局だって求めてはいません、ただね小なりとは言え他人の金を預かる金融機関が、金融機関としてはイロハのイとも言うべきことが出来ていなかった訳です。

利回りの高いファンドを募集し、急速にファンド募集の累計額を増やしていたラッキーバンク。多少無理している部分もあるのでは?、と思っていましたが、それはあくまでも担保価値に対しパンパンの融資をしている等の通常のビジネスベースの話で、まさか身内の会社への融資がほとんどで、返済の懸念もあったとは・・・、というのは全く読んでいませんでした。

ソーシャルレンディング投資の事業者リスクは一番に考えないとダメですね、改めてそう認識させられました。


ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

ポンジ・スキームかどうかの判断はできない

若干みんなのクレジットとは状況が異なりますが、投資家として気になるのが、ラッキーバンクもポンジ・スキームではなかったのか?、との点。

ポンジ・スキームはwikipediaでは下記のように解説されています。

ポンジ・スキーム(英:Ponzi scheme)とは、詐欺の一種で、日本語で言うところの「自転車操業」に近いものである。「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、謳っていることとは異なって実際には資金運用を行わず、後から参加させる別の出資者から新たに集めたお金を(やはり運用せず)以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用が行われ利益が生まれてそれが配当されているかのように装うもののこと。(ポンジスキーム

要は投資家の資金で自転車操業を行うこと。ソーシャルレンディングで言えば、高い金利でファンドを募集して、その金利は融資先からの金利で賄うのではなく、次から次にファンドを募集視して新規の募集資金で過去のファンドの金利支払いを行うこと。

ラッキーバンクももしや・・・、とは思ってしまうのが普通の思考回路ですが、証券等管理委員会の公表資料を見る限りでは、ポンジ・スキームと断定できるような内容ではありません。

ただし、

X社が手掛ける複数の不動産事業について事業期間が延長となる事態が発生し、この間、X社は売却資金を得られず、平成29年3月以降に償還期日を迎えるファンドに係る借入金の返済が困難な状況となっていることを認識したにもかかわらず、その後もX社を貸付対象先とするファンドの募集を継続している。

、との記載が証券取引等監視委員会の発表にはあるためポンジ・スキームの可能性は否定できませんが、現段階ではそうと断定することは出来ません。

ポンジ・スキームだったかどうかは、今後の当局及びラッキーバンクの発表を待つしかありません。みんなのクレジットのようなヒドイことは無いだろう、とは個人的には思っていますが、それだって予想にすぎません。

いずれにしても、ポンジ・スキームだったかどうか含め、今後については当局及びラッキーバンクの発表待ちとならざるをえません。

最大の注目点は出資したファンドの資金が返済されるか

投資家としてはラッキーバンクについて、ちゃんと出資した資金が返済されるかどうか、が最も大切な部分。

出資案件についてクリック競争が発生していたラッキーバンク、今後ファンド募集が停滞することは明確で、業務停止命令が下ってもおかしくはありません。みんなのクレジットは例として極端すぎますが、クラウドバンクは実害は生じていなかったものの、顧客資産と会社資産の分別管理の不徹底で業務停止命令が下っています。

客観的に問題の大きさでは、クラウドバンク<ラッキーバンクであり、ラッキーバンクに業務停止命令が下ってもおかしくはありません。

同社の貸付先のほとんどが田中社長の親族が経営する不動産会(X社)と言うことなので、業務停止命令→新規ファンド募集のストップ、となった時に貸付先不動産会社がどうなるのか、というのが最も気になる部分。

幸いにして不動産市況は悪くないので、X社が単独で事業ができる状況なら、ファンド資金が多少の棄損はあっても返済される可能性はありますが、それが無理なら新規の資金調達は困難であり、厳しい事態も十分に予想されます。

ファンドへの出資資金がどうなるのかも、ラッキーバンクの発表待ちとなります。

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コインチェックに通じる既視感、金融の最低限のお作法は守りましょう

先日コインチェックがNEMの流出で大騒ぎになり話題になりました。まだ詳細の報告書等が出ていないのですが、顧客の資産と会社の資産、相当適当に管理していた様子。

金融庁はコインチェックに対しても激怒しているようですが、様々な怒りの沸点がある中で、顧客資産の分別管理が杜撰だった、との部分があるのは間違いないかと。

日本の金融行政って、投資家保護、が前面に出ています。よって金融機関が顧客資産を会社の資産と別に保護するのは、もう当たり前という考えに基づいています。ここ10年だとFX会社の栄枯盛衰を見ていると、顧客資産の分別管理の徹底の大切さが良く分かりますが、仮にも“取引所”を称している仮想通貨取引所、ある意味ではFX会社以上に顧客資産の分別管理を求められます。

ただね、もう金融関係者だと、そりゃ顧客資産と会社資産の分別管理の徹底は当然やってるよね、と当たり前のように考えてしまうのですが、実はコインチェックはそれができてなかった、という点でビックリ仰天。それって金融機関としては当然なのですが・・・。

仮想通貨取引所の経営者見ると、コインチェックはCEO、COOの両者いずれも金融畑の出身ではないので、実は金融機関としてのイロハのイも知らんかったのでは・・・、と思わざるをえません。

でひるがえってラッキーバンクを見ると、社長は金融畑の出身じゃないんですよね。そして身内への甘い融資という、金融機関としてはやってはいけないイロハのイ。ここにコインチェックとラッキーバンクの共通点を見出してしまうのは、管理人だけでしょうか?

トンデモなく儲かっていたっぽいコインチェックはNEMの流出があっても事業継続はなされそうですが、ラッキーバンクはトンデモナク儲かっている会社では少なくともありません。

当サイトでも散々、ソーシャルレンディングは事業者リスクがありますよ、と言っていますが、みんなのクレジットに続き、また事業者リスクが顕在化した形となっています。事業者リスクをしっかり認識して、分散投資を心がける、ソーシャルレンディング投資の際にはやはり鉄則です。

経営者が金融畑で無い場合、投資しない、と言うのは極端ですが一つの選択肢とはなります。投資できる案件ホント少なくなってしまいますが・・・。

ファンドから自社に関連する資金提供は避けるべきかと

管理人、ファンド運営に多少携わっていましたが、通常の場合はファンド運営の事業主体に関係する企業への投資なり融資はNGとなります。

ファンドは基本的に他人から預かった資金で運営されますが、自社の関係先に資金提供しますよ、と正面切って説明しているならともかく、通常そんなことはしません。投資家の利益より自社の利益優先となる利益相反が起きる可能性が高いので、ファンド運営会社が運営会社に関連する企業に融資なり投資するのはご法度です。

自社の関係先、と言う観点でソーシャルレンディング事業者の融資先を見ると、何社かやっている先があります。いやそれ自体が直ちに問題となる訳ではありませんが、ファンド運営の経験者の立場からすると、リスキーなことしているな、と言うのが偽らざる思い。

ラッキーバンクがまさかこんなことになっているとは夢にも思いませんでしたが、昨年3月に開催された「ソーシャルレンディングサミット」に登壇したラッキーバンク田中社長が、自社グループの不動産会社に融資できるような体制を作りたい、と言った内容の発言をされていて、あれ?、と思ったことを思い出しました。

自社の関係先に資金提供しない、と言う部分、ソーシャルレンディング業界ではある意味でアキレス腱と管理人は思っています。最終的には利益相反せずにファンドも問題なく償還されるケースが殆どなんでしょうが、通常のファンド事業者ではやってないことをやってるケースがあるので、その点は投資家としては認識した上で投資検討すべきかと。

ま、ラッキーバンクの場合、身内に融資しますよ、とは一言も触れてなかったので、避けられなかった訳ですが。

まとめ

ラッキーバンクは高金利の案件が多かったので、多くの投資家がファンドへの出資を行っています。また近年急激にファンド募集累計額を伸ばしてもいたため、ファンドに対し資金の返済ができない、との事態となると非常に大きな問題が生じます。

今後については続報を待つしかありませんが、いずれにしてもソーシャルレンディングの事業者リスクがみんなのクレジットに続き、再びクローズアップされる事態となりました。

仮想通貨市場程の盛り上がりはないものの、ジワジワと伸びているソーシャルレンディング市場。ラッキーバンク問題がどのような影響を与えるのか注目したいと思います。

PS ラッキーバンクの案件に投資しているようなら、一旦クールダウンすることも必要です、詳しくは下記をどうぞ。
投資で損をした時にヤッテはいけない2つの事

金融機関出身の経営者等が運営する主要ソーシャルレンディング事業者
クラウドクレジット(杉山社長:大和証券グループ→英ロイズ銀行)


クラウドクレジットの詳細記事:ユニークな存在のクラウドクレジットについて

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SBIソーシャルレンディング(金融グループが運営のソーシャルレンディング事業者)
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