SBIソーシャルレンディング及び案件について
2018/06/11
ソーシャルレンディング運営会社の中では珍しい、上場会社のグループ会社であるSBIソーシャルレンディング。ソーシャルレンディングへの投資に際しては、運営会社のリスクも考える必要がありますが、SBIソーシャルレンディングは運営会社のリスクをそれ程取らなくてもよいという、日本のソーシャルレンディング投資の中では、珍しい存在とも言えます。
そんなSBIソーシャルレンディングの会社内容及び、取り扱っている案件について調べてみました。他社に比べると若干利回りが低めですが、それは運営会社のリスクが少ない裏返しとも言えます。投資額が1万円からの少額の投資も受け付けているため、ソーシャルレンディング投資の始めの第一歩として、有力候補となりうる運営会社と言えます。
目次
SBIグループのグループ会社、SBIソーシャルレンディング株式会社
SBIソーシャルレンディングは、日本のソーシャルレンディング運営会社の中で珍しく、上場会社のグループ会社となっています。SBIグループと言えば、ネット証券大手のグループ、とご存知の方も多いのですが、改めてSBIグループについて見てみましょう。
SBIグループについて
SBIグループはネット証券大手のSBI証券を中心とする、グループを指します。SBI証券はネット証券最大手であり、また自社で投資部門そして銀行(住信SBI銀行)も持っており、証券会社から投資会社そして銀行までグループ内に有している、日本屈指のネット金融会社と言えます。
SBIグループで上場しているのは、グループを統括するSBIホールディングス株式会社(東証1部8473:SBI-HD)。その業績は以下のようになっています。
15/3期売上高(収益)247,423百万円、税引前利益63,067百万円、当期利益39,314百万円
16/3期売上高(収益)261,744百万円、税引前利益52,227百万円、当期利益36,666百万円
最終利益(当期利益)300億円オーバーの立派な会社です。
またSBI-HDは下記のような株価で推移しています。
※ヤフーファイナンスより
SBIソーシャルレンディングはネット系金融機関とも言うべきSBIグループ内において、今後市場拡大が予想されるソーシャルレンディングの先兵としての役割を担っています。
SBIソーシャルレンディングの会社概要
SBIグループのソーシャルレンディング部門とも言うべき、SBIソーシャルレンディングの会社概要は以下のようになっています。
会社名:SBIソーシャルレンディング株式会社
設立:2008年1月
資本金:10,000,000円
株主:SBIグループ(100%)
SBIグループが100%の株主ということで、正真正銘のSBIグループの会社。設立は2008年1月と8年以上前であり、業界最大手のmaneoと並び(maneoの設立は2007年8月)、日本のソーシャルレンディング業界の創成期から業界をリードしてきた存在と言えます。
そしてこれまで投資家登録数11,500人以上、累計運用総額500億円突破(2015年12月末)、更に貸し倒れ件数0という、まさに日本を代表するソーシャルレンディング運営会社と言うべき存在となっています。(尚、業界最大手のmaneoは9月時点で登録ユーザー数35,000人以上、成立ローン総額530億円以上)
SBIソーシャルレンディングの取り扱い案件
SBIソーシャルレンディングが取り扱っている案件は、大きく分けて3種類あります。
No | 案件名 | 利回り | 期間 | 金額 | 融資先 |
---|---|---|---|---|---|
① | 不動産担保ローン事業者ファンド | 2.8~4.3% | 約14ヶ月 | 1万円~ | 不動産 |
② | 証券担保ローンファンド | 2.0% | 約12ヶ月 | 1万円~ | 個人 |
③ | オーダーメイド型ローンファンド | 3.5~6.0% | 4~19ヶ月 | 5万円~ | メガソーラー、サービサー他 |
※利回り、期間、金額は概算数値
次にそれぞれ3種類について、詳細を見てみます。
①不動産担保ローン事業者ファンド
2012年9月から募集を開始しており、これまで92本のファンド組成し、累計84億円を運用。
日本のソーシャルレンディングは不動産を中心に回っている部分が大ですが、本ファンドはその名前「不動産担保ローン事業者ファンド」の通り、不動産担保ローン事業を行っている事業者に貸し付けを行うファンドとなっています。
貸付先には①貸付債権質権設定契約、②担保不動産への登記(抵当権の質権設定付記登記)を行うことで、貸し倒れのリスクをヘッジしています。
利回りは2.8~4.3%を想定しており、期間は約14ヶ月。毎月15日に配当金が支払われます。
毎月2回の募集を行っている、同社の主力商品となっています。
不動産でも不動産担保ローン事業の会社に融資します
②証券担保ローンファンド
SBI証券で株の取り引きをしている投資家に対し、株券を担保に取り資金を融資するためのファンドです。ネット証券大手というグループならではの商品となっています。
期間約1年で、予定利回りは約2.0%。毎月15日に配当金が支払われます。
要は証券金融と言われるものです。大口の投資家が株券を担保に借り入れを行うことがありますが、SBIグループとして資金を個人からソーシャルレンディングという形で集め、その資金でSBIグループのお客さんに貸している、という形。
株券を担保に取りますが、融資額は基本的に株券の時価の60%までとなっています。
株券を担保に借金して大丈夫か?、との自然な懸念もありますが、証券金融という商売自体は古くから成り立っており、安定的に収益を上げているので、商売としては全然”あり”です。
ただし、リーマンショック級の大混乱が金融市場で発生して一気に株価が落ちると、担保に取った株券を市場売却しても損が出る、という事態はやってきます。実際にリーマンショックの際に日本の証券金融会社は大きな損を計上して、証券会社に増資を受けてもらって、どうにか息をつないだ、という歴史があります。
この証券金融独特のリスクをどう考えるかは、それぞれ見解が分かれるところではあります。しかしながら不動産中心の日本のソーシャルレンディング業界において、SBIソーシャルレンディングの「証券担保ローンファンド」は非常にユニークな存在、と言うことはできます。
株券を担保に融資します、グループにネット証券大手を有するSBIグループならでは
③オーダーメイド型ローンファンド
「オーダーメイド型」と名前にあるように、相手に合わせてケースバイケースで組成されるファンドです。
期間は4ヶ月から最大27ヶ月まで様々。予定利回りも4.0~6.5%という幅になっています。
融資先はコーポラティブハウスローンへのつなぎ融資、借手の行う不動産売買業務における転売用不動産の取得資金、太陽光発電事業者への貸付、サービサー(債権管理回収業者)に対する貸付、事業会社に対する貸付等、貸付先も様々で合計36本の募集実績を有しています。
尚、本件のみ5万円~の出資受入れとなっています。
SBIソーシャルレンディングの各案件について
SBIソーシャルレンディングの案件の中心は、①不動産担保ローン事業者ファンド、となります。
期間約14ヶ月と長めの案件ですが、1万円からの投資が可能。予定利回りが2.8~4.3%と他社の案件に比べれば利回りは低めですが、SBIグループという安心感と、これまで貸し倒れの実績が無い、ということを考えれば、ソーシャルレンディングの入門編として適している案件と言えます。
②証券担保ローンファンドは、同社独特のユニークな案件で、こちらも1万円から投資可能ですが、利回りは2.0%と低め。証券金融という商売自体は古くから成り立っており、堅い商売でもありますが、担保となるのは株券であり、動きの読めない相場を相手とすることになるので、その点をどう捉えるか。リスクとしては不動産案件とそれほど変わらない感もありますが、リーマンショックを間近で見ていると、ちょっと手が出ないような・・・。
同社の案件の中では、③オーダーメイド型ローンファンドが最も変化があって、内容を見ていると面白いです。投資金額5万円~、と他の案件に比べると若干投資のハードルが上がりますが、短い期間の案件もあります。
③オーダーメイド型ローンファンドはWeb上で適宜募集のファンドが表示されているので、定期的にチェックすると面白い案件を発見できる可能性があります。
他社の案件もそうですが、魅力ある案件は早期に枠が埋まってしまうことが多いです。
足元で魅力的な案件の募集がなされていなくとも、今後魅力的な案件の募集が始まった際にスグに応募できるように、SBIソーシャルレンディングでも先に会員登録を行っておくと、案件の募集に対し機動的に対応ができます。
会員登録は無料です。また会員登録をするとメールでファンドの募集案内が来るようになりますし、同社の全ファンドの運用実績も見ることができるようになるので、同社の案件に興味があれば、事前の会員登録をオススメします。
SBIソーシャルレンディングのまとめ
ソーシャルレンディングの投資には、①融資先の貸し倒れリスク、②ソーシャルレンディング運営会社のリスク、の2つのリスクがある、と一般的には言われています。この中で②運営会社のリスクは、ソーシャルレンディング業界が立ち上がって数年という、若い業界ゆえのリスク、と言っても過言ではありません。
そのような業界環境において、SBIソーシャルレンディングはSBIグループという上場企業のグループ会社であり、安心感という簡単では、他のソーシャルレンディング運営会社と比べると、一段上回っている、と言えます(ただし上場会社でも倒産するケースは多数あるので、あくまでも相対的なものです)。
同社の案件は他社と比べると若干利回りの面では物足りない面もありますが、1万円から出資可能な案件もあることから、ソーシャルレンディング投資をスタートさせる第一歩として、有力候補となりえます。
ご興味あれば、まずはSBIソーシャルレンディングに会員登録を行い、過去のファンドの運用実績を見つつ、どんなファンドの募集があるかメールを確認してみてはいかがでしょうか?
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