ソーシャルレンディングの基礎

ソーシャルレンディングの危険性やリスクを解説

2017/01/23

 ソーシャルレンディング=危険、というイメージも根強くあるソーシャルレンディング。では一体どんな危険やリスクがあるのか?そしてリスクを回避する方法は存在しているのか。

 危険があるのであれば、その危険を正しく理解するのが大切。そしてその上で、そーっとしておくのか、危険性を踏まえた上でリスクを考えて関与するのかを考える必要があります。

 ソーシャルレンディングの危険性は、出したお金が返ってこないこと、即ちお金が減ってしまうことです。ただし、株の信用取引やFX、先物取引と違い、投資した以上の損が出ることは基本的にありえません。

 そしてソーシャルレンディングの投資に際しては、「案件」、「タイミング」、「ソーシャルレンディング運営会社」を分散させることで、リスクの分散をさせることが可能です。

 ソーシャルレンディングの投資を検討するに際して、事前に知っておきたいその危険性やリスク、そしてリスクの回避方法について解説いたします。

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ソーシャルレンディングの抱える危険の中身

 お金を借りたい企業やプロジェクトに対して、個人がインターネットを経由してお金を貸し出すものを、ソーシャルレンディング、と言います。ソーシャルレンディングについて、詳しくは前回の記事「ソーシャルレンディングとは?分かりやすく説明してみます」をご覧いただくとして、金利が5~10%もあるソーシャルレンディング、その危険性はどんな所にあるのでしょうか?

 コレは少し考えれば分かりますね。ソーシャルレンディングの危険性とは即ち、出したお金が返ってこない危険性です(貸し倒れリスク)。

 ソーシャルレンディングに10万円投資したとしても、それが100%約束通りの高い金利が付いて帰ってくる訳ではありません。資金の借り手のビジネスがうまく行かなければ、返済が滞り金利はおろか元本の返済さえできない可能性があります。

 ソーシャルレンディング=危険、という印象を持たれている方もまだまだ多いのですが、それは当然と言えば当然。このマイナス金利時代に5~10%もの金利が付く金融商品(厳密な意味では、ソーシャルレンディングは金融商品ではありませんが)、当然ハイリスク・ハイリターンとなります。
 

元本以上の損はないソーシャルレンディング

 ハイリスク・ハイリターンで危険、という見方をされることが多いソーシャルレンディングですが、理解しておきたいのは、原則的に投資した以上の損失は発生しない、という点。

 確かに10万円出資して、その10万円がゼロになってしまう可能性はありますが、10万円以上損する可能性は原則的にありません(原理的には、出資金を元に借り入れを起こしてレバレッジをかければ、元本以上の損が出る可能性はありますが、基本的にまずレバレッジをかけるような案件はありません)。

 FXや株の信用取引、先物の場合はレバレッジが掛かっているので、下手をすると投資した以上の損失を出してしまう可能性がありますが、ソーシャルレンディングへの投資では、投資金額以上の損が出ることはまずありません。

 ソーシャルレンディングの危険性を正しく認識する、という観点では、少なくとも投資家は投資した額以上の損は出ない、という部分は知っておくべき内容となります。

日本のソーシャルレンディングでは元本割れは発生していない(2016年9月時点)

 投資なので当然リスクのあるソーシャルレンディグへの投資ですが、何と日本のソーシャルレンディングでは、2016年9月時点では元本割れとなった事例は確認されていません。驚きですね。

 元本割れのない状態が、いつまで続くかは分かりませんし、いずれ記録はやぶられるものです。しかしながら、ソーシャルレンディング=危険、というイメージのある一方で、日本のソーシャルレンディング投資においては、これまで元本割れが発生していない、というのも一面の真実となっています。

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ソーシャルレンディングでは投資金額以上の損は原則発生しません

ソーシャルレンディングのリスク

 ソーシャルレンディングの危険=投資したお金が返ってこない危険(ただし投資金額以上の損はしない)、ということが分かった次に、ソーシャルレンディングの投資にはどんなリスクがあるのかを考えてみます。

 ソーシャルレンディングへの投資には以下の4つのリスクが存在しています。

①融資先の事業がうまく行かないリスク
②ソーシャルレンディング運営会社のリスク
③途中解約できないリスク
④規制が今後変更されるリスク

 では順番に上記のリスクの詳細を説明します。

①融資先の事業がうまく行かないリスク

 ソーシャルレンディングで集められた資金は、運営会社を通じて何かしらの事業に融資されます。事業の内容は不動産から太陽光発電、中小企業の融資等様々ですが、その事業が100%うまく行く保証はありません。(当然、ソーシャルレンディング運営会社は元本+金利が払える、と考えるプロジェクトのみ募集しますが)

 ソーシャルレンディングで調達した資金での事業が失敗した場合、金利及び元金の支払いが難しくなります。その結果、返済の期限が到来しても金利及び元本が約束通り支払われない、という事態は充分考えられます。

 ソーシャルレンディングで集められた資金は事業資金に使われるため、武運つたなく事業が失敗すれば返済は出来なくなる、というのは感覚的にも理解できるのではないでしょうか。

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こうなっては欲しくないものですが・・・

②ソーシャルレンディング運営会社のリスク

 ソーシャルレンディングでの資金は、ソーシャルレンディング運営会社を経由して投資家と借り手の間を行き来します。それでは、この資金の行き来を仲介する運営会社に何か問題が発生したらどうなるのでしょうか?

 投資家が出資した資金が借り手に渡ることなく資金がなくなってしまう、借り手が支払った金利や返済資金が投資家の手に渡る前に資金がなくなってしまう・・・、最悪の場合、投資家及び借り手に何ら問題がなくとも、運営会社の問題によって、資金が無くなってしまう可能性があります。

 ソーシャルレンディング市場はまだ立ち上がって数年の、非常に若い市場です。いち早く市場が立ち上がったアメリカではレンディング・クラブという上場会社も登場していますが、日本のソーシャルレンディング運営会社は総じて小規模です。よって経営基盤という観点では、銀行や証券会社、そしてFX会社と比べれば、規模の観点ではまだまだ小さい会社が殆どとなっています。

 そんな規模の小さい会社が、自分の会社の運営が大変な場合、投資家から集めた資金を自分の会社の運転資金に流用して・・・・、という事態は可能性としてはありえます。
 大原則として、運営会社は自己資金と投資家の資金の分別管理を厳しく求められています。しかしながら業界的にも若い業界で、会社の規模も小さい会社が多いという状態であり、運営会社の管理体制は銀行や証券会社と比べれば、まだまだ未成熟な部分が多い、というのも事実。

 よってソーシャルレンディングの投資には、運営会社のリスク、も存在しています。銀行であれば銀行が破綻しても1,000万円までは保険で帰ってきますし、証券会社の場合も預けた資金が返ってこない(売買での損失は別)ことはまずありません。
 しかしながらソーシャルレンディングは、運営会社の事情で資金が返済されないリスクがあります。この点が通常の投資とは大きく異なるリスク要因と言えます。

③資金固定化のリスク

 ソーシャルレンディングは原則途中換金は不可能です。銀行の定期預金であれば途中解約できますし。株式や投資信託であれば好きなタイミングで売却が可能です。しかしながらソーシャルレンディングは、一度投資を行った後は、契約が満了するまで途中契約はできません。

 利払いや返済は、一括支払いの案件、毎月支払いの案件等、様々な種類がありますが、いずれにしても一度投資を行った後は、契約期間が終了するまで待つことしかできません。

④規制強化のリスク

 ソーシャルレンディングは2015年の改正金融商品取引法による規制緩和により、日本でも取り扱いのハードルが下がり今に至っています。現在の所、規制強化の動きはありませんが、今後ソーシャルレンディング市場拡大後に大きな問題が発生した場合、再度規制強化がなされる、という可能性があります。

 規制強化リスクは現段階では誰も予想ができるものではありませんが、政府や金融庁のさじ加減一つで業界自体がガラリと変わってしまう可能性がある、という点は認識しておいても損はないと、考えます。

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ソーシャルレンディングの投資リスクを回避する方法

 上記に4点のソーシャルレンディングのリスクをピックアップしました。その中で④規制強化のリスクについては、理解していても個人ではどうにもならない問題です。よって④以外について、投資リスクを回避する方向について考えてみました。

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ソーシャルレンディングのリスクから逃げられるのか?

①融資先の事業がうまく行かないリスクの回避方法→案件を精査し分散投資を心掛ける

 いわゆる事業リスクをどう判断するか、という問題になります。ソーシャルレンディング運営会社のサイトには、募集中の案件の概要について記載はありますが、素人が公表されている資料でどこまで精査できるかどうかは、別問題。
 案件を精査しましょー、と言うのは簡単ですが、簡単に案件の精査ができれば苦労はありません。
 しっかり案件の精査をしようとすれば融資先の事業についての知識等、様々な知識が必要となります。それに本当の所、開示されている情報だけでは十分判断できない可能性だってあります。

 ただし少なくとも、表示されている利回りの数字だけで判断するのではなく、案件の中身を見ることは非常に大切です。高い利回りの案件に何も見ずに投資してしまった、と言うのは、単に株価が安いだけで業績不振の株を買う行為と非常に似ています。

 高利回りだけどこの案件は危険な香りがする・・・、という案件はスルーするのが得策。自分が分からないものには投資しない、というのは投資で損しない鉄則になります。

案件の内容及びタイミングを分散させる

 投資家がソーシャルレンディングの事業リスクを回避するには、分散させるのが一番です。案件の分散、及び、時期の分散、を行えば、投資家はある程度事業リスクの回避が可能となります。

 ソーシャルレンディングの案件は不動産系の案件が多いのですが、不動産の案件ばかり手がければ、リーマンショックやバブル崩壊のような事態が生じれば、殆どの案件でやられてしまう可能性があります。そんな時、不動産以外の案件も同時に手掛けていれば、少なくとも不動産系の案件はやられても、それ以外の案件は通常通り返済が行われる可能性があります。
 
 また同じような案件でも、投資のタイミングをずらして投資しておけば、何かしらの大事件の手前で返済が終わり、被害は殆どなし=逃げ切った、ということだってあり得ます。

 FXや株で分散で投資する、と聞くと非常に高度なテクニックが必要な印象も受けますが、ソーシャルレンディングへの投資の場合、似たような案件に一度に投資するのは避ける・投資するタイミングをずらす、といった簡単な方法で、各案件へが分散投資が可能になります。(不動産投資もリスク管理のためには、分散投資が有効ですが、金額が非常に大きくなるので割愛しました)

担保付きの案件に投資を行う

 ソーシャルレンディングの投資案件の中には、融資先から担保を取る案件もあります。当然、担保を取らない案件と比べれば利回りは低くなりますが、イザという時は担保にとった不動産等を売却することで融資の回収が可能であり、担保なしの案件に比べて投資元本が棄損するリスクは少なくなります。

 また担保付き一辺倒でも、担保なし一辺倒でもなく、担保付き案件と担保なし案件を分散させることは、リスク回避をしながらリターンも求める有効な手段となりえます。

②ソーシャルレンディング運営会社のリスクを回避する方法→過去案件の実績を調べる

 既に説明の通り、ソーシャルレンディングのリスクには事業リスクだけでなく、ソーシャルレンディング運営会社のリスクも考慮する必要があります。
 しかしながら日本のソーシャルレンディング運営会社は現段階では殆どの会社が小規模で、株式上場(IPO)を行っている訳ではありません。よって公表されている資料等で運営会社の経営状態を知るのは極めて困難と言わざるを得ません。

 尚、現段階(2016年9月)ではSBIソーシャルレンディング社は、唯一上場している親会社(ネット証券大手のSBI証券)を持つソーシャルレンディング運営会社となっています。

 しかし、多くの運営会社では、過去の案件の実績を公表しています。よって投資家としては、その会社が信頼に値する運営会社かどうかを判断するには、その会社の過去の案件実績を見るのが一番。

 過去の案件で大きな問題が発生していない運営会社であれば、これまで通り問題なく運営されていく可能性が高いですし、過去の案件で何度も問題が生じているようであれば、運営会社の案件の目利き力や管理能力に疑問が付く結果となります。

 よって、ソーシャルレンディング運営会社のリスクを回避するためには、出来るだけその運営会社の過去の案件の実績を見た上で、その会社の案件に申し込むかどうかを判断すべきと考えます。

 ソーシャルレンディングに申し込みを行う際は、申し込みを行う案件について十分理解をするとともに、運営会社が過去どのような案件を取り扱い、どのような実績を有しているか、という点にも注意を払いたいものです。

ソーシャルレンディングの運営会社の分散も必要

 ソーシャルレンディングへの投資の際は、利用するソーシャルレンディング運営会社も分散させるのが得策です。正直どこまで行っても、リスクはつきものなので、それであれば分散させてしまうのが一番。もちろん、この会社はどうかな・・・、という会社は除外しますが。

 多くの運営会社に口座を持っておけば、計画的に様々な案件に分散投資が可能になりますし、様々な案件を検討することもできます。

 ソーシャルレンディングの投資の際は、”案件の分散”と”タイミングの分散”のみならず”運営会社の分散”も行うことで、イザと言う時のリスクを減らすことができます。

③資金固定化のリスク回避方法→期間の短い案件で回す

 ソーシャルレンディングに投資を行ったら、返済の期間が到来するまで換金はできません。よって資金は契約期間中は固定化されてしまい、投資家は何も手出しができなくなります。
 
 大前提として、ソーシャルレンディングへの投資は余裕資金で行うべきもので、日常的なお金で投資すべきではありません。
 イザという時に必要となるお金は、投資に回さず素直に銀行に入れておきましょう。

 それが分かった上で、資金固定化リスクを避けたい、と言うのであれば、回避方法は、返済までの期間が短い案件で回す、という方法があります。ソーシャルレンディングは期間1年程度の案件が一番のボリュームゾーンですが、中には期間3ヶ月とか半年といった案件もあります。

 よって資金固定化がリスクと感じる投資家は、期間3ヶ月や半年の案件中心に投資を行う、という方法があります。ただし期間の短い案件が次から次へと募集されるかどうかは、運営会社次第の面があるため、案件が無い間は投資資金は現金として置いておく=利息はつかない、ということになります。

 期間の短い案件”だけ”にこだわるというスタンスもありますが、期間も分散ということで、「期間の短い案件」と「期間の長い案件」を分散させて投資を行う、という判断もあります。

何はともあれ分散させることがリスク回避の要点

 株やFXや不動産投資の場合、1ロットで必要となる金額が大きいため、資金を分散させてリスクを回避する、と言われても、限界があります。
 
 一方、ソーシャルレンディングへの投資の場合、1案件の募集金額が5~10万円からという案件が殆どであり、分散投資でのリスク回避ができる、という特徴があります。更に案件を分散させるだけでなく、投資のタイミングの分散、運営会社の分散も行うことで、それぞれのリスクも減らすことが可能になります。

 リスク回避という観点では、投資を様々に分散させてリスクを減らすことができる、と言うのがソーシャルレンディング投資の最大のメリットとも言えます。
 管理が面倒になる、というデメリットも当然ありますが、命の次に大切なお金なので、その管理はしっかり行いたいもの。ましてお金を増やそうとしている訳ですから、多少の手間を惜しんではいけません。

 ソーシャルレンディングへの投資を行う際は、多くの会社に口座を開いて案件やタイミングの分散を行うようにしたいものです。

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一つのカゴに卵を盛るのではなく、分散させるのが一番のリスク回避方法となります

前倒し返済のリスクについて

 ソーシャルレンディングの案件の中には、期間1年の契約にも関わらず10ヶ月等で前倒しで返済されることがあります。前倒しで返済がなされると、受け取れるハズだった金利収入が得られなくなり、非常に悔しい思いをします。

 ただしチョット立ち止まって考えてみましょう。いいじゃないですか、損することなく先にお金が返ってくるのですから。ソーシャルレンディングに限らず、投資は損をしないこと、が大切。前倒しで返済されて、予定していた金利が多少減ってしまっても、損することを思えば充分満足な結果、と言えます。

 早めに返済されたお金で、新しい案件を探すもよし、しばらく現金として寝かすもよしです。

 前倒し返済が発生した時、損したー、という感覚に襲われるのは分からないでもありませんが、実際は一銭も損はしていないので、気持ちの切り替えを行いましょう。

 尚、案外認識されていませんが、ソーシャルレンディングは期限リスクも存在しています。前倒し返済=早期償還もあれば、返済の遅れ=償還遅延だって発生します。この点もリスクとして踏まえる必要があります。詳しくは下記の記事をどうぞ。

関連記事:知られていないソーシャルレンディングの期限リスク

ソーシャルレンディングの危険性やリスクのまとめ

 何でもそうですが、危険があるのであれば、その危険性を正確に把握することが大切。ソーシャルレンディング=危ない、というイメージは少なからずありますが、投資した金額以上の損はない、という前提の理解は必要不可欠。投資なので、損する可能性はあります、コレは当たり前ですね。ただし、下手をすると投資した金額以上に損をするFXや先物取引に比べると、ソーシャルレンディングへの投資はリスクが少ないと言えます。

 投資でリターンを得ようとすれば、リスクは付き物ですが、ソーシャルレンディングの場合、①案件の分散、②投資タイミングの分散、③運営会社の分散で、リスクを分散させることができる、という特徴があります。

 まだソーシャルレンディング市場自体の立ち上がりが数年であり、コレがソーシャルレンディング投資の最適解だ!、というような方法はありませんが、少なくとも株やFXや不動産に比べれば、分散投資でリスク分散できるというメリットを生かさない手はないと考えます。

 今の所、日本では元本割れの案件が発生していないですし、業界を揺るがすような大きな破綻や問題は発生していません。しかしながら、イザそのような事態が発生した時に備えるためにも、ソーシャルレンディングへの投資を行う際は、様々なリスク分散を心掛けて投資を行いたいものですね。

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