ソーシャルレンディングの基礎

ソーシャルレンディングの高利回りの理由は不動産にあった!

2016/09/26

 5~10%と言う、非常に高い利回りが期待できるソーシャルレンディングへの投資。マイナス金利の現代日本で、金利5~10%と言うのは破格の金利水準です。ソーシャルレンディングはどのようにして、高い利回りを実現しているのでしょうか?

 ソーシャルレンディング運営会社何社かの案件を見ていると、その原因はスグに分かります。ソーシャルレンディングが高い利回りを実現できている理由、それは不動産を扱っている先に融資しているから。今も昔も、不動産は手早く利益を上げやすい格好のビジネス、と言うことは変わっていません。

 日本のソーシャルレンディングの高利回りは不動産に支えられている、と言われると、何だか非常に泥臭いイメージとなりますが、泥臭いビジネスの方が、高い金利を取れるのも事実。日本でも社会的認知を得たREITだって、要は不動産投資なんですから。

 日本のソーシャルレンディング運営会社の各案件を概観して分かった、不動産案件との切っても切れない関係を解説いたします。日本のソーシャルレンディング運営会社は、かつてのノンバンクが果たしていた役割を現在果たしているような感があります。

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ソーシャルレンディングの各案件を見てみる

 高利回りが特徴のソーシャルレンディングへの投資。一般的には利回り5~10%と言われています。しかし日本の、低金利どころかマイナス金利下での高い利回りとなれば、利回り5~10%というのは尋常ではない数字となります。

 ソーシャルレンディングは、どのような案件で高利回りを実現しているのか?背景を探るために各ソーシャルレンディング運営会社の案件を、老舗の運営会社と比較的新しい運営会社に分けて、一通り見てみようと思います。

老舗ソーシャルレンディング運営会社の案件

 ソーシャルレンディング市場自体が、まだ立ち上がって数年であり、老舗企業というのも変な表現ですが、業界では古株、ということで「老舗」という表現を利用します。老舗ソーシャルレンディング運営会社として取り上げたのは、①maneo、②SBIソーシャルレンディング、③クラウドバンクの3社です。

 以下にそれぞれの会社の取り扱い案件を取り上げました。

maneo(マネオ)の案件

 日本初のソーシャルレンディン運営会社で国内最大手、と言われているmaneo(マネオ)の取り扱っている案件は下記となります。

案件名利回り期間最低投資金額融資先
不動産担保付ローンファンド5.0%4~33ヶ月50,000円不動産
保証会社付安心ファンド4.0~5.4%12ヶ月50,000円事業会社(不動産会社)
maneoの虎ローンファンド5.0~10.0%3ヶ月50,000円太陽光発電
事業性ローンファンド5.0~8.0%5~12ヶ月50,000円事業会社(不動産会社)
クラウドリースセレクト5.0~8.0%3~11ヶ月50,000円事業会社(リース会社)
ガイアファンディングセレクト5.0~9.0%7~14ヶ月50,000円事業会社(海外不動産投資)

 2016年9月15日時点で過去を含め、名前の出ている案件をリストアップしました。利回りと期間は個別案件により変わって来るので、参考値としてご覧ください(以下に記載の運営会社の案件リストも同様)。

 maneoの案件の利回りは4~10%と言った所。殆どが5%からの利回りとなりますが、リスクの少ない保証会社付の案件は4%~となっています。

 maneoは6種類の案件カテゴリーを有していますが、不動産関係の案件が多い、という特徴があります。不動産担保付ローンファンド、保証会社付安心ファンド、事業性ローンファンド、ガイアファンディングセレクトの計4種類は直接もしくは間接的(=不動産会社)に不動産への融資となります。
 不動産を扱わない案件は太陽光発電案件のmaneoの虎ローンファンド、リース会社への融資のクラウドリースセレクトの2種類となります。

 簡単に言えば、カテゴリーが6つある中で不動産は4つで不動産以外は2つ。

 多少なりとも日本のソーシャルレンディングに触れたことがあれば、こんな感じだよね、という状況です。しかし初めてソーシャルレンディングの案件の中身を見た方は、ソーシャルレンディングって不動産に投資(正確には融資)して儲けていたのか
、と驚かれるのではないでしょうか。

 銀行に比べればその存在感はまだまだですが、日本の不動産市場ではソーシャルレンディング運営会社の存在感は徐々に高まりつつあります。日本最大手のソーシャルレンディング運営会社のmaneoの案件を見ると、確かにそうかも・・・、というのが理解できます。

SBIソーシャルレンディングの案件

 日本のソーシャルレンディング運営会社の中で唯一上場会社のグループと言えるのが、大手ネット証券SBI証券グループのSBIソーシャルレンディング。最大手とは言えmaneoもまだ未上場会社であるため、SBIソーシャルレンディングは運営会社への安心感、という観点では非常に安心感があります。
 そんなSBIソーシャルレンディングの取り扱い案件は下記となります。

案件名 利回り期間融資先
不動産担保ローン事業者ファンド2.8~4.3%約14ヶ月不動産
証券担保ローンファンド2.0%約12ヶ月個人
オーダーメイド型ローンファンド3.5~6.0%4~19ヶ月メガソーラー、サービサー他

 SBIソーシャルレンディングは3種類の案件を用意しています。1つはmaneoと同じく不動産系(不動産担保ローン事業者)への融資。残り2つは不動産とは関係なし。
 「証券担保ローンファンド」は株券を担保にして、親会社のSBI証券のお客さんに資金を融資するもので、いわゆる証券金融です。大手ネット証券グループならではの案件。
 そして「オーダーメード型ローンファンド」はその名の通り、オーダーメード型のローン。融資先に不動産関係もありますが、サービサー、メガソーラー等に融資しており、ケースバイケース、です。

 SBIソーシャルレンディングの案件は全体的に利回りは2~6%と、maneoや一般的に言われているソーシャルレンディングの案件と比べると、その利回りは低めです。ただし、大手ネット証券のSBI証券のグループ会社ということで、運営会社のリスクを取る必要はないことを考えれば、利回りが低くなっているのは当然、と言えなくもありません。 

 尚、SBIソーシャルレンディングの詳細は下記の記事もご覧ください。

関連記事:SBIソーシャルレンディング及び案件について

クラウドバンクの案件

 maneoと並び、日本で早くからソーシャルレンディング事業を行ってきたクラウドバンク。クラウドバンクは詳しくは、日本クラウド証券と言う証券会社(未上場)が運営を行っています。
 クラウドバンクの主な取り扱い案件は下記となります。

案件名利回り期間融資先
不動産プロジェクトファンド5.0~6.5%6~12ヶ月不動産
中小企業支援型ローンファンド5.8~6.4%6~12ヶ月事業会社(不動産、発電関連、家賃保証等)
太陽光・風力発電ファンド5.5~7.0%6~12ヶ月発電事業運営会社

 クラウドバンクの案件も3種類。1種類は不動産特化の案件、残りは事業会社向けの融資と太陽光や風力発電事業社に融資を行う案件。
 事業会社向け融資は、住宅関連といった不動産関係もありますが、発電事業社や家賃保証会社といった先も存在しています。

 不動産と発電関連がクラウドバンク案件の2つの柱、との印象です。また以前は、新興国向けのマイクロファイナンスファンドの募集もしていたようですが、現在同ファンドの募集は行われていないようです。

老舗ソーシャルレンディング運営会社の案件のまとめ

 maneo始め、老舗として取り上げた3社はいずれも不動産関係の案件の比重が高くなっています。特にmaneoにその傾向が顕著に表れています。

 ただし、SBIソーシャルレンディングは証券担保ローン、クラウドバンクは太陽光・風力発電案件と、3社それぞれに特徴があるということも分かります。不動産案件を中心に案件を組成しつつ、他の案件でいかに自社の特徴を出すのか、というのが老舗3社の共通した特徴と言えるのではないでしょうか。

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新興系ソーシャルレンディング運営会社の案件

 ソーシャルレンディングと言うと、利回り5~10%、と言うのが通り相場ではありますが、老舗ソーシャルレンディング運営会社の案件は、ザックリ言って利回り4~7%、と言った所。それでも十分に利回りとしては高いのですが、じゃあここ最近事業を開始した新興系のソーシャルレンディング運営会社の場合はどんな案件でどんな利回りとなっているのか。次に新興系ソーシャルレンディング運営会社の案件を、老舗系と同じような形で調べてみました。取り上げたのは①みんなのクレジット、②ラッキーバンクの2社。

みんなのクレジットの案件

 「みんなのFX」というトレーダーズ証券という会社が運営しているFXサービスがありますが、「みんなのクレジット」はFX会社とは全く関係ないようです。最近、チョクチョク会社名を耳にするようになりました。

案件名利回り期間融資先
不動産ローンファンド7.50~12.50%2~16ヶ月不動産
中小企業支援ローンファンド8.80%2~7ヶ月不動産会社、運用会社

 みんなのクレジットの案件は2種類ありますが、不動産ローンファンドが圧倒的に種類は多くなっています。不動産ローンファドの期間は、案件の種類によって様々。一方利回りはアバウト7.5~12.5%と老舗ソーシャルレンディング会社と比べると、利回りは高めとなっています。

 尚、みんなのクレジットは2015年5月の会社立ち上げ後、業界最速で成立ローン総額10億円超えを達成したそうです。
 

ラッキーバンクの案件

 こちらも最近よく社名を耳にするようになった、ラッキーバンク。2014年5月に設立されたソーシャルレンディング運営会社です。

案件名利回り期間融資先
ローンファンドLucky Bank9.0~10.9%3ヶ月~20ヶ月不動産

 ラッキーバンクの案件は不動産に特化しています。そして不動産の中でも、オフィスビル案件が中心となっています。
 ソーシャルレンディング案件は不動産案件が多い、と書いてきましたが、逆に不動産に特化した運営会社もなかったので、ラッキーバンクの立ち位置は案外珍しいかもしれません。
 また利回りも老舗運営会社に比べて高めになっています。
  
 尚、ラッキーバンクについての詳細は下記記事もご覧ください。

関連記事:ラッキーバンク(Lucky Bank)について

新興系ソーシャルレンディング運営会社の案件のまとめ

 老舗の会社も新興系の会社も、案件自体は不動産案件が中心、ということに変わりはありませんでした。やはり事業会社への融資は審査のノウハウが必要となるので、新興系の会社は金額やリスクが分かりやすい不動産案件中心に手掛けている、というのは理由としては分かります。

 思い切って不動産、それもオフィスビル案件に注力しているラッキーバンクは、新興系の会社としてリスクはありますが、高めの利回りは出せていますし、コレはコレでありかな、と思いました。

 いずれにしても2社の事例ですが、利回りは老舗運営会社の案件に比べれば高めになっている、ということが分かります。

全体的なソーシャルレンディング案件の傾向→不動産案件が多い

 老舗3社と新興系2社のソーシャルレンディング運営会社の案件をザックリと見てみましたが、どんな印象をお持ちでしょうか?不動産案件が多い、という印象をやはり持たれるのでは?

 ソーシャルレンディングの各案件の融資先、大まかに分けると下記のようになります。
①不動産関連(直接の不動産や不動産会社)
②リース会社、不動産管理会社、サービサー等の事業会社
②太陽光発電・風力発電

 大別するとソーシャルレンディング案件の融資先は上記3つに分類することができます。そしてその中で、最も多いのが不動産案件。
 日本のソーシャルレンディング業界は不動産に支えられている部分が大、となっています。

不動産は儲かる!、は今も健在

 昔から、不動産は儲かる、とよく言われています。最近ではサラリーマンをしながらアパート経営をしている猛者もいるようで、投資をする、という観点ではREITの存在を見ても、不動産、というのは立派な投資先となります。

 簡単に言えば、不動産は100万円で仕入れたものを付加価値を付ければ1,0000万円で売れてしまうことも頻繁にあります(あくまでも例えばの話ですが)。例を挙げれば、4区画分の土地を買い集めて1区画にして売ってしまえば、それだけでその区画の売却価格は上がります。

 半年や1年で100万円の不動産が200万円で売れました、ということは不動産業界では十分あり得ます。そういった観点では支払金利5~10%でソーシャルレンディング経由で資金調達をしても、全然ペイするからOK、ということになります。
 
 ここに、ソーシャルレンディングが5~10%と言われる高い金利を払うことのできる大きな理由があります。

 しかしながら、なぜ金利の安い銀行から借りないか?、と言えば、既に会社としては銀行から目いっぱい借りているからではないかと。銀行は基本的にお金を不動産に貸すのではなくて、会社に貸します。そうなると、どうしても限度がでてきます。銀行も不動産のプロジェクトに融資することはありますが、ソーシャルレンディングに出てくるような、数千万円単位の案件では銀行として扱うメリット(要は金利や手数料)が少ないので、基本的にはスルー。
 
 仕入れれば儲かる物件はあるけど資金がない・・・、そんな先にプロジェクト毎にお金を集めて融資をしている、というのが現代日本のソーシャルレンディングの姿ではないかと。どんなもんでしょうか。

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今も昔も不動産は儲かる事業?

その昔のノンバンクの役割を担っている日本のソーシャルレンディング

 個別の不動産に融資したり等、ソーシャルレンディングの各案件を見ていてフト気付いたことがありました。
 あーっ、これ昔のノンバンクの融資先に似ている。

 その昔、金融不況の前はノンバンクという金融機関がありまして、銀行が貸せない先に小回りよく融資をしていました。ノンバンクは銀行から借りたお金で融資をしているので金利は高め、だけど個別の不動産プロジェクトなどにも小回りよく融資して、不動産案件だと何かしらのノンバンクの名前をよく見たものです。
 銀行系から始まって、様々な会社の系列ノンバンクが存在していましたが、気が付けばノンバンクって殆ど残っていませんね・・・。淘汰というか、2000年代半ばの銀行の不良債権処理の流れで、殆どの会社が処理されてしまっています。ついでに言えば、過払い金問題で同じノンバンクのカテゴリーの消費者金融も殆ど姿を消しました。(武富士、と言っても、今の若者は殆ど知らないのではないかなぁ)

 ただしノンバンクが無くなっても、ノンバンクが融資をしていたような先のニーズは変わらずある訳で、その穴埋めをソーシャルレンディングがしているのではないかな、勝手な推測ですが。ただノンバンク業界は多少知っている世界だったりしますの。

 銀行からの借り入れはできないけど、お金さえあれば儲けられる会社、例えば不動産や消費者金融やリース会社そしてパチンコ屋に、小回りよく金を貸していたのがかつてのノンバンク。消費者金融は今はないとして、ソーシャルレンディングの案件にパチンコ屋があったらそのままノンバンクだな、と思わないでもありません。(ちょっと前までソーシャルレンディングにもレジャー産業向けの案件があったようですが、最近は姿を見ません、レジャー産業=パチンコ産業、でしょう、恐らく)

 ただし昔と違うのは、太陽光や風力と言った発電案件が今はある所。今、ノンバンクがかつてのままの姿で存在していたとしたら、太陽光発電案件に融資するかな???これは分かりません・・・。

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不動産案件に比べれば少ないものの、ソーシャルレンディングは太陽光発電案件も数は多いです

ソーシャルレンディングも要は金貸しということ

 日本のソーシャルレンディング案件は、かつてノンバンクが担っていた機能を担っている、と言うと儲かるのは分かりますが、何だか夢の無い話になってしまいます。世界のフィンテックの先駆け、ソーシャルレンディング。実は不動産に融資して儲けてました・・・、何だかイメージが・・・。

 ソーシャルレンディング先進国のアメリカだと、個人向けローンの比率が高いようです。ただし考えようによっては、ソーシャルレンディングで消費者金融やっているようなもんです。だから日本にしてもアメリカにしても、ソーシャルレンディング、と言う横文字にするとカッコよく聞こえますが、要はインターネトを通じて金の貸し借りをしている、という事実には変わりありません。

 だから利益を得ようとすれば、どうしても泥臭い仕事になってしまう面があります。スマートに儲けられるようなら、先に銀行が融資してますって。ただし、その泥臭さにこそ、ソーシャルレンディングの利益の源泉があるように思います。不動産への融資、泥臭いですよね。高い利回りを得るためには、これでいいのではないかと。
 あとは投資する側が、いかにリスクの高い案件を避けられるかという、投資案件を見極められる目利き力次第。ただし、分散投資である程度リスクの分散はできるので、投資する側はまずリスクを分散させる、ということで身を守る必要がありますね。

関連記事:ソーシャルレンディングの危険性やリスクを解説

まとめ、ソーシャルレンディング案件が高利回りの理由は不動産にあり

 前半部分はソーシャルレンディング運営会社の大まかな案件を概観して、後半部分はそれらを見ての感想、という構成となりました。後半部分は管理人の主観が相当入っているので、その点はご注意ください。

 けど、ソーシャルレンディングが5~10%という高利回りを出せているのは、不動産案件に融資しているから、というのはほぼ間違いないでしょう。バブル崩壊を見ていると、不動産への融資=怖い、というイメージがありますが、会社に融資して担保に不動産を取るのと、不動産そのもの(プロジェクト含む)を評価して融資の担保に不動産を取るのとでは全く意味合いが違うので、同列に扱うのは注意が必要。バブル崩壊でやられたのは多くは前者。まぁ後者だって当然リスクはありますけど。

 かつてノンバンクで審査をしていた知り合いがいるので、今後会いに行って意見を聞いてみようかな。インタビュー記事とか面白そう。けど、ノンバンクとソーシャルレンディングは全然違うよ、と言われて終わってしまう可能性もありますが。

 ソーシャルレンディング、という新しい業界ですが、少し調べてみると色々気付かされることになりました。個人的には、ソーシャルレンディングとかつてのノンバンクがつながるとは、まったく思っていなかったので、ホント予想外でした。

 そして結論、ソーシャルレンディングが高利回りの理由は不動産にあり。この部分だけは、覚えておいて損は無いと思います。

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