ソーシャルレンディングの基礎

ソーシャルレンディングはベンチャー企業に融資しません

 ソーシャルレンディングと言うと、イコールでベンチャー企業に融資する、というイメージがあるかもしれませんが、実際にソーシャルレンディングではベンチャー企業に融資するケースは殆どありません。

 返済ができるのか?、という観点で言えば、まだ事業が成り立っていない段階のベンチャー企業に対する融資は、ソーシャルレンディングの扱う領域と言えません。少なくとも日本では、ソーシャルレディングがベンチャー企業に融資する、ケースは殆どありません。

 ベンチャー企業は銀行からお金が借りられない・・・、とステレオタイプに見られがちな日本の金融環境ですが、制度融資等で海外に比べるとベンチャーや中小企業に対する融資制度が充実しているのが実情です。

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ソーシャルレンディングがベンチャー企業に融資?

 何気に日曜日の日経新聞を読んでいたら、ソーシャルレンディングの記事を発見。日経でもタマにソーシャルレンディングの記事を見ることが増えています。ただ、あんまり事情に詳しい人が書いているわけじゃないよね・・・、というのが管理人の率直な意見。まぁ、間違いは書いていないのですが、タマに日経新聞も業界関係者から見ると、トンチンカンなことを書いているケースがあるので、それに比べるとかわいいもんですが。

 しかし記事を見て驚きました!

 表題が“ベンチャー融資 ネットで”。
ココからして若干ずれていないか???

厳格な「有担保主義」の商業銀行からお金を借りられない草創期の企業が殺到している。(2017/6/25日本経済新聞)

 随分と実情とずれているような気がするのは管理人だけ?うーむ・・・。

 確かに株式型クラウドファンディング(例:FUNDINNO/ファンディーノ)はベンチャー企業が対象ですが、あくまでも“株式”を取得するので、投資であり融資ではありません。

 maneo他のソーシャルレンディング運営会社の案件色々見ますが、ベンチャー企業に融資する案件、殆ど見たことないな・・・。まぁ好意的に解釈すれば、運営会社の審査でベンチャー企業は落ちている・・・、と言う事になりますが。

 けどやはり日経新聞にして、こんな認識。やはりまだまだソーシャルレンディング業界は、本当の姿が世間には知られていないのね、と実感するに至りました。


ソーシャルレンディングでは設立したばかりのベンチャー企業に融資は行いません

銀行が対応できない案件が多いのは事実

 確かにソーシャルレンディングが対応している案件は、銀行融資では対応できない案件が多いのは事実。しかしながら、銀行融資で対応できない=ベンチャー企業への融資、という構図ではありません。

 日本のソーシャルレンディングは以前のノンバンクの業務を代替しているのではないか、と気付き下記記事を書いています。

関連記事:その昔のノンバンクの役割を担っている日本のソーシャルレンディング

 3月に開催のソーシャルレンディングサミットにおいて、オーナーズブック・青野社長も同様のことを述べられており、管理人の推定は当たらずとも遠からずと考えます。

事業や不動産の裏付けがある場合が殆ど

 ソーシャルレンディングが融資を行っているのは、銀行が対応できないものの“資金回収の可能性が高いと見込まれる”不動産案件や短期融資の案件が多い、というのが実情ではないかと。ベンチャー企業への融資の場合、事業の立ち上がりの前段階であれば、資金回収の可能性が高い、とは言えません。

 日本のソーシャルレンディングは不動産案件が多いのですが、不動産案件は「不動産」という換金性の高い資産を裏付けに融資が可能です。また不動産案件以外にも、太陽光発電案件は売電収入という現金収入が具体的に見えますし、企業の融資案件の場合でも相応の実績ある企業の短期融資であったり等、何かしら資金回収の裏付のある企業への融資が殆どです。

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創業期の融資は制度融資が存在、海外にはあまり無い制度

 金余りの現代日本。銀行は融資先を探しています。出来て間もないベンチャー企業に銀行が融資できるかと言えば、それは難しい、というのが実情ですが、創業間もないベンチャー企業に銀行は融資しない、というステレオタイプで捕らえるのも実情ではないと考えます。

 どういうことかと言えば、銀行が行うのはあくまでも融資であって、借りたお金はいずれ返す必要があります。ベンチャー企業の創業者の立場で考えれば、設立間もない段階で事業が立ち上がってもいないのに、将来返済義務のある融資はオイソレと受けません。

 どうしても、と言うのであれば、増資によって返済の必要の無い資金調達を行うのが筋です。その役割はベンチャーキャピタルが担っていますし、株式型クラウドファンディングもFUNDINNO/ファンディーノが活動を開始しています。

 それほど資金を必要としない中小企業や個人事業主の場合はと言えば、日本は信用保証協会が保証を付ける等の制度融資が非常に充実しています。創業間もない頃の資金は制度融資で賄える部分が非常に多いです。

 管理人の知人がアメリカでおにぎり店をオープンさせた話を聞いたのですが、アメリカでは銀行を始め創業期を支える資金が殆どなかったのに対し(ただし10年ほど前の話なので、まだソーシャルレンディングが生まれていない時代)、日本は制度融資で殆どの資金を賄うことができた、と聞いて驚いたことがあります。

 金余りで銀行が融資先を探している昨今、ベンチャー企業に銀行は融資しない、というステレオタイプのイメージをそろそろ日本も脱する必要があるのではないか、と思う次第です。

まとめ

 ベンチャー企業論は当サイトが扱う領域ではありませんが、ともあれ日経新聞の記事を表題だけ見ると、ソーシャルレンディングはベンチャー企業に融資するのか?、と思ってしまうので、少なくとも現段階ではソーシャルレンディングの殆どはベンチャー企業に融資しませんよ、ということを記事化してみました。

 ソーシャルレンディングは徐々にメディア等で取り上げられる機会も増えていますが、まだその実像が正しく伝わっているとは言いがたい状況です。

 当サイトとしても、ソーシャルレンディングの実像を伝える、という部分について、今後も微力ながら務めていきたいと思っています。

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