GMOクリック証券でmaneo(マネオ)の案件を取扱い開始へ
2017/09/11
既に資本業務提携していたGMOクリック証券(正確にはGMOクリックHD)とmaneo(マネオ)ですが、10月よりGMOクリック証券でのmaneoのソーシャルレンディング案件の取扱い開始が発表されました。10月24日(月)からのサービス開始となります。
ソーシャルレンディング自体が、日本では知る人ぞ知る存在と言えますが、今回のGMOクリック証券でのmaneo案件の取扱い開始により、一般投資家もソーシャルレンディングに触れる機会が確実に増加します。ソーシャルレンディング業界にとっては、非常に画期的な出来事となります。
しかしながら、他社では案件の取り合いが発生する事態も生じており、大々的に一般投資家を取り込むほど、投資案件があるのか?、という懸念もあります。
今後市場拡大が予想されているソーシャルレンディング市場、GMOクリック証券とmaneo提携について、評価点と懸念点を考えてみました。
目次
10月24日よりGMOクリック証券はmaneo(マネオ)案件の取扱いを開始
GMOクリック証券(正確には持ち株会社のGMOクリックHD)とmaneoは今年の2月に資本業務提携を締結しています。GMOクリック側がmaneoの約5億円の第三者割当増資を引き受け、更に共同で事業を展開、具体的にはGMOクリック証券の顧客に対してmaneoのソーシャルレンディング案件のサービス提供を行う等の内容が発表されていました。
そして今回遂に業務資本提携の成果が具体化。
「GMOクリック証券 貸付型クラウドファンディングサービス「maneo」の取扱開始!~高水準の目標利回りで分配金はうれしい毎月分配型~」
(GMOクリック証券のプレスリリース)
先日の日経ヴェリタスの記事にも、GMOクリック証券でmaneoの案件に投資できるようになる予定、という記事がありましたが、まさにそれが10月24日より実現しようとしています。
GMOクリック証券でmaneo案件の取扱い開始で、個人投資家にとってソーシャルレンディングというものが、グッと身近な金融商品となることは間違いありません。
GMOクリック証券のmaneo(マネオ)案件取扱い開始によるメリット
GMOクリック証券がmaneoのソーシャルレンディング案件の取扱いを開始することにより、各方面にメリットが生じると考えられます。GMOクリック証券、maneo、投資家の3者の視点でそのメリットを考えてみます。
GMOクリック証券のメリット
GMOクリック証券と言えば、日本で最大手のFX会社として有名。ただし昨今は株式取引にも注力しており、後発組ながらネット証券大手の一角に食い込みつつあります。
そんなGMOクリック証券は、新商品の投入に積極的です。FX→日本株と来て現在はCFD取引を第3の柱とするべく注力中。そして10月よりGMOクリック証券の取扱いラインナップとしてmaneoのソーシャルレンディングが登場。
GMOクリック証券は、どちらかと言えば短期取引志向の強い顧客が多い訳ですが、maneoのソーシャルレンディング案件の取扱いにより、中長期の投資家の取り込みも可能になります。またそもそも、ネット証券ではソーシャルレンディングの取扱いは日本初となるので、新規投資家呼び込みの足掛かりともなります。
証券会社の収益は、基本的に投資家が売買してもらってナンボの部分が大なので、GMOクリック証券はmaneo案件の取扱い開始によって、maneo案件をGMOクリック証券経由で買ってもらえば、それがそのまま収益の拡大につながります。また既に口座はある投資家が、株やFXの待機資金を3か月程度ソーシャルレンディングで運用してみるか、という投資家も間違いなくいるため、既存口座の活性化にもつながります。
このように考えるとシステムの繋ぎ込み等、手間のかかる面はありますが、GMOクリック証券にとってmaneo案件の取扱いは、ビジネスが軌道に乗れば、非常にメリットの大きいものとなります。
maneo側のメリット
GMOクリック証券での案件取扱い開始により、maneoはこれまで以上の販売力を手にすることができます。
ソーシャルレンディング、と言われてもまだ日本では知る人ぞ知る存在。殆どの個人投資家は、ソーシャルレンディングという言葉は聞いたことがあるかも・・・、という程度。そんな、一般的な個人投資家がGMOクリック証券を通じmaneoの案件にアクセスできるようになります。
業界最大手で成約ローン総額540億円のmaneoですが、GMOクリック証券は預り資産が5,700億円あり、桁が1つ違います。
GMOクリック証券の顧客の何割がmaneo案件の顧客になるかは分かりませんが、maneo側とすればこれまでとは桁違いの資金へのアクセスが可能となります。
これまでとは桁違いの資金へのアクセス権を手にしたことで、maneoの業績及び日本のソーシャルレンディング市場は一気に拡大する可能性を秘めています。
尚、maneoの会社詳細については下記をご覧ください。
関連記事:業界最大手maneo(マネオ)について
投資家のメリット
これまで投資家はソーシャルレンディングの案件に投資しようとすると、各ソーシャルレンディング運営会社に口座開設をして→資金を振り込んで・・・、という手続きが必要でした。正直、面倒です・・・。まぁお金儲けのために手間は必要、ということなんですが、やはり手間なものは手間。
これが証券会社の口座でソーシャルレンディング案件に投資ができるようになれば、非常に便利になります。既に口座を持っている証券会社であればそのまま利用できます。
GMOクリック証券のmaneo案件の取扱いについて、現段階では詳細が明らかになっていないので何とも言えない面はありますが、GMOクリック証券に口座があれば、ネット上の申込みだけでmaneo案件の購入可能、となればソーシャルレンディングへの投資のハードルが一気に下がることになります。やはり、また口座を開設するのか・・・、というのは結構手間ですから。
このひと手間が無くなる、というのはソーシャルレンディング投資を行う・興味のある個人投資家にとって、非常にメリットがあると考えます。
GMOクリック証券によるmaneo(マネオ)案件取扱いの懸念点(デメリット)
まだサービス開始もしていない段階で、懸念点やデメリットを上げるのも早すぎるかもしれませんが、物事には光もあれば影もあるので、影の面を指摘しておきます。
管理人が一番懸念しているのは、案件の質の維持ができるのか、という点。
これまでmaneoだけでなく、日本のソーシャルレンディング業界は、デフォルト無し、というのを大きな売りにしてここまで来ています。今後、GMOクリック証券経由でmaneoの案件に大量の資金が流入した時に、各案件がそれまで通りの質を維持できるのかどうか、ここが大きなポイントと考えています。
ラッキーバンクの案件を見ていると、案件の募集後即完売、という事態が発生しているように、ソーシャルレンディングは案件が限られている、という部分があります。
maneoは常時何かしらの案件を募集しており、現段階では投資家が好きなタイミングで各案件に年できる、という環境を提供できています。
ただしGMOクリック証券経由で一気に資金流入があった時は、一時的にラッキーバンク同様、案件は即売状態、となる可能性が。上場を目指しているmaneo側は当然、取扱い案件のボリュームアップを図ろうとするでしょうが、その時に現在までのような案件の質を維持できるのかどうか。
GMOクリック証券と資本業務提携の際のmaneoのプレスリリースでは、新しい資金調達サービスの開発が盛り込まれているので、今後新たな分野での案件開拓もされるのでしょうが、大量の資金流入があった際に、これまで通りの質が維持できるかどうかというのは、maneoにとって今後を占う試金石となるのではないでしょうか。
まとめ
これまでジワリジワリと拡大してきた日本のソーシャルレンディング市場ですが、GMOクリック証券によるmaneoの案件取扱い開始は、市場の転機となる可能性があります。しかしながらこれまでにない大量の資金流入により、混乱が生じる可能性も捨てきれません。
ただし、ミドルリスク・ミドルリターンということを踏まえて、ソーシャルレンディングを理解している投資家にとっては、投資の間口が広がる(手間がかからなくなる)、GMOクリック証券でのmaneo案件の取扱い開始は、非常にありがたい動きとなります。
実際の投資手続き等、まだ詳細は明らかになっていない部分が多いものの、maneoの案件に投資する手続き、という点ではGMOクリック証券を経由することでmaneo案件の投資は非常にやりやすくなるのではないか、と考えます。
GMOクリック証券によるmaneo案件の取扱い開始が、日本のソーシャルレンディング業界にどんな影響を与えるのか、そして既にソーシャルレンディングに投資を行っている層にどんな影響を与えるのか、非常に興味深いです。
両社の提携、成功することを祈念しています。
PS maneoの口座開設についてご興味があれば下記からどうぞ
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